The Four Tops

フォー・トップスは、デトロイト北部の2つのコーラス・グループから集まった4人の高校の友人、レヴィ、デューク、オビー、ローレンス・ペイトンが、ある少女の卒業パーティーで歌って欲しいと頼まれて集まったのがきっかけとなり結成されました。
彼等は、1990年、"Rock & Roll Hall Of Fame"(ロックの殿堂入り)を果たし、Rock & Roll Hall Of Fameの公式ページで、こう紹介されています。(訳:管理人)

フォー・トップスは、彼等が成し遂げた偉業と長いキャリアの両面において記憶されるべきである。
とりわけ後者に関し、グループは、40年以上に渡り、メンバー交代せずに活動してきた。そして、サイクルの早いポップ・ミュージックの世界において、コンスタントにレコードを発表し続けてきたことは、まさに驚異的である。
彼等の業績について言うならば、フォー・トップスは、モータウンが頂点を極めた時代における、最も記憶に残る一連のシングルの一部分を担ったのだ。
"Baby I Need Your Loving,"、"I Can't Help Myself,"、"It's the Same Old Song,"、"Reach Out I'll Be There,"、"Standing in the Shadows of Love"、"Bernadette."・・・。
こうしたフォー・トップスのとりわけ素晴らしいレコード群は、モータウンで、Brian Holland、Lamont Dozier、Eddie Hollandの3人による社内のソングライティング&プロダクション・チームと共に、1964年から1967年にかけて録音されたのである。

1963年にモータウンに出現した音楽経験豊富な4人組は、すでに10年近く、ショー・ビジネスの世界で活動していた。
リード・ヴォーカルのLevi Stubbs、ファースト・テノールのAbdul "Duke" Fakir、セカンド・テノールのLawrence Payton、バリトンのRenaldo "Obie" Bensonという、デトロイトを拠点にしたこの4人組は、1954年、高校を卒業後まもなく、Four Aimsという名前で歌い始めた。
Ink Spotsを手本にして、フォー・エイムスは、多目的ナイトクラブ等に出演するようになる。
彼等は、旧友であったベリー・ゴーディがモータウンを創設し、彼等を雇うまでに、Chess、Red Top、Columbiaといったレーベルで、レコーディングをしていた。
Stubbs等による、Holland-Dozier-Hollandというモータウン屈指のソングライティング・グループによる最高級の素材の、大胆かつドラマチックな分析は、60年代中期におけるソウルをより高水準のものとしたのだ。

その後続いた、彼等のモータウンでの栄光の日々、フォー・トップスは、依然としてライヴ・アクトを続けていた。
70年代、80年代にも、フォー・トップスは、定期的に、"Ain't No Woman (Like the One I Got)"や"When She Was My Girl."といった曲でヒット・チャートに登場した。
1997年にPaytonが亡くなった後、残ったメンバーは、The Topsとしての活動を続けている。


まさにここで書かれた通り、フォー・トップスは、オリジナル・メンバーを変えることなく、今だに現役として活動しています。
もう4人のハーモニーを聴くことは出来ませんが、The Topsのハーモニーは、人々に、60年代モータウンの栄光を届け続けてくれていると言えるのではないでしょうか。
そこには、確実に彼等の"ソウル=魂"が刻み込まれています。



Reach Out I'll Be There
(Holland-Dozier-Holland)
1966年、ポップ・チャート、R&Bチャートともにトップになったフォー・トップスを代表するヒット曲です。
"今、君が、全ての望みを断たれて、もう進めないと感じているなら、幸福はまやかしに過ぎず、日々がひどく混乱しているのなら・・・ダーリン、手を差し伸べて。おいで、ガール、僕のために手を差し伸べておくれ"と歌っています。
ドンドコ・ドラムに、笛の音、アラビアっぽい雰囲気、そして、少し割れた非常にソウルフルなヴォーカルにコーラスが絡んでいく元気の良い曲です。


Standing In the Shadows Of Love
(Holland-Dozier-Holland)
1967年、ポップ・チャート6位、R&Bチャート2位を獲得した曲です。
"愛の陰に立ち、俺は傷つく覚悟は出来ている。お前にゃ見えないだろうな。俺が愛の影に立っているって。どこかに走っていきたいんだけど、君の愛無しじゃ、どこに行っても傷ついちまう。こんなの終わりの始まりさ"と歌っています。


Bernadette
(Holland-Dozier-Holland)
1967年、ポップ・チャート4位、R&Bチャート3位を獲得した曲です。
バーナデットというのは女性の名前。
"バーナデット、みんなお前を探している。俺たちが持っている類の愛ってやつだ。生きてく中で探していく奴もいる。だが、お前に見つけたような愛なんて絶対に見つかりっこない...お前に話しかける時、周りの妬む視線を感じるのさ。奴等が何考えてるか十分注意してるんだ"と歌っています。


Ask The Lonely
(William Steveson/Ivy Hunter)
1965年、ポップ・チャートで24位、R&Bチャートで9位になったヒット曲です。
バッキング・ヴォーカルをしている女性達は、これもモータウンのコーラス・グループ、アンダンテズです。
"ただ、孤独を求めてる・・・なんでも独りで出来るって感じてる時、そんな奴はいないって思い出しな。ただ孤独を求める時、奴等は、愛を手に入れるのに失敗することで傷つくことと痛みを知ってるって。君は打ちのめされるだろうな。ただ孤独を求めるなんて"と歌っています。
情熱的で甘いレヴィのヴォーカルと女性コーラスとの掛け合いが素晴らしい名曲です。


Baby I Need Your Loving
(Holland-Dozier-Holland)
1964年、ポップ・チャートで11位になったフォー・トップスの最初のヒット曲です。
モータウンらしい明るい曲調、コーラスワーク、重さの無いラヴ・ソングの歌詞と、まさにこれぞモータウンといった曲だと思います。


Without The One You Love(Life's Not Worth While)
(Holland-Dozier-Holland)
1964年リリース、ポップ・チャート43位になった曲です。
ローレンスが構築した複雑なバック・コーラスは光る名曲です。
"君の愛が欲しい。今すぐに!僕の空っぽの腕を埋めてくれ。僕の生活を価値あるものに。何故なら今の僕は"生きている"んじゃなくて、ただ"いる"だけなんだ。もう笑えないし、笑顔にもなれやしない。こんなんじゃもう駄目さ。君の愛無しじゃ、人生は価値無いもの。可愛い君無しじゃ、母無き子のようだ。だから、おいで。僕の腕を埋めてくれ。僕の人生に意味をくれ"と歌っています。


It's The Same Old Song
(Holland-Dozier-Holland)
1965年ポップ・チャート、R&Bチャートともにトップになったフォー・トップスを代表するヒット曲です。(尚、この紹介文におけるチャート情報は、ネルソン・ジョージさんの"モータウン・ミュージック"についているチャート・データを参考にしています。アルバムの内ジャケットには、ポップ・チャート5位、R&Bチャート2位って書いてあります。どっちが正しいんだろ?)
出だしのマリンバが、ストーンズの"Under My Thumb"のスタジオ・ヴァージョンとそっくりなのですが、この曲が出たのは1965年。
"Under My Thumb"を収録しているアルバム"Aftermath"のレコーディングをストーンズがRCAスタジオで行っていたのは、65年12月3〜8日と66年3月3〜8日なので、もしかしたら、ブライアン・ジョーンズもこの曲を聴いて、マリンバを使おうと考えたのかもしれませんね。


Loving You Is Sweeter Than Ever
(Stevie Wonder/I.Hunter)
1966年リリース、ポップ・チャート45位、R&Bチャート12位になった曲です。
"まだ会った時のことを覚えてるよ。その時の僕は、毎晩毎日、孤独に過ごさなきゃいけなかったんだ。君に会った時のことを覚えているよ。これこそ本物だって言える愛を見つけたんだ。 君が僕を愛してるって言う時、そして、僕等を引き裂くことなんか出来ない・・・だから、僕は君の周りに僕の世界を作るんだ。君を見つけられて良かった。君を愛することで僕の人生は今までよりも潤ってるんだ"と歌っています。
かなり大きめのドラムが、良い味出してます。


I Can't Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch)
(Holland-Dozier-Holland)
1965年、ポップ・チャート5位、R&Bチャート2位になった曲です。(アルバムの内ジャケットには、ポップ・チャート5位、R&Bチャート2位って書いてあります。恐らく、"It's The Same Old Song"とこの曲のどっちかが両チャート共1位の曲なんでしょう。個人的には、"It's The Same Old Song"の方が気に入っていますが・・・)
この曲聴くと、なんかパフィーを思い出します。
"甘い君。君は僕が愛してるってことを知ってる。どうすりゃいいんだ。もう君以外は愛せない"と歌っています。
さすがに、この辺になってくると、メンバーも"俺たち、こんな歌詞でいいんだろ〜か・・・"と思ったようで、ペイトンは"シュガー・パイ、ハニー・パンチって一体・・・"と思ってたそうです(笑)
ちなみに、これ、直訳すると"お砂糖のパイ。ハニーが一杯(Bunchというのは、果物の房のこと)"・・・邦題は"フサフサハニー"で決定だな(笑)


Something About You
(Holland-Dozier-Holland)
1965年、ポップ・チャート19位、R&Bチャート9位になった曲です。
気持ちの良いサックスに、ロック調のギター。なんとなくストーンズの"Let's Spend The Night Together"を感じます。
フォー・トップスの勢いが最もあったのは、この曲が発表された1965年や翌1966年頃じゃないでしょうか。


I Got A Feeling
(Holland-Dozier-Holland)
1967年"Bernadette"のB面となった曲です。
軽快でノリが良く、コーラスの掛け合いが大きな魅力となっている曲です。
"〜in'"で韻が踏まれているのも、気持ち良いです。


I'm In A Different World
(Holland-Dozier-Holland)
1968年、ポップ・チャート51位、R&Bチャート23位になった曲です。
Holland-Dozier-Hollandによって作られた曲としては、1番最後の方ですね。(彼等がヒッツヴィルを去ったため)
同じモータウンのシュープリームスも思い起こせるような、ベースが素晴らしい。
この曲のタイトルは"違う世界にいるんだ"というものですが、Holland-Dozier-Hollandが離れたことは、確かに、違う世界への移行だったのかもしれません。


Walk Away Renee
(Michael Brown/Bob Calilli/Tony Sansome)
1967年、Holland-Dozier-Hollandが去った後、フォー・トップスは、ヒット・チャートから後退しつつありました。
"Walk Away Renee"は、そんな1968年、ポップ・チャートで15位、R&Bチャートで14位になった曲で、Left Bankeのカヴァー曲です。


What Is A Man
(Johnny Bristol/Doris McNeil)
1969年、ポップ・チャート53位になった曲です。
この曲は、コーラスが全面に押し出されていますね・・・というか、完全にコーラスが主役です。
笛の音に乗りながら"男ってなんだい?"と何度も何度も問い掛けています。


A Simple Game
(Mike Pinder)
1972年、ポップ・チャート90位、R&Bチャート34位になった曲です。
シングルのみでリリースされた曲で、"時が流れゆくと共に、君は僕等が自由になるんだということが分かるだろう。僕等は空に触れ、君は心の目を見ることが出来ない。何故なら、僕等は1つ。僕等は全てが同じで、人生はシンプルなゲームなのさ"と歌っています。
小さいながらところどころ聴こえるアコースティック・ギターが好きです。
イギリスではチャート3位のヒットになったそうです。


Still Water (Love)
(Frank Wilson/Smokey Robinson)
1970年、ポップ・チャート11位、R&Bチャート4位になりました。
最初に聴いただけでも、他の曲とは違った雰囲気がしますね。
モータウン特有の、ドンドコ騒がしいドラムが無く、その代わりにロック・オルガンも入っていたりと、より洗練されたバラード、といった趣です。
ちなみに、タイトルの"Still Water"には、"流れの静かな川"という意味の他に、"女性器への愛撫"という意味があるそうです。


(It's The Way)Nature Planned It
(Frank Wilson/Pamela Sawyer)
1972年、ポップ・チャート53位、R&Bチャート8位になった曲です。
このチャ・チャを聴くと、あぁ、本当に、曲のタイプが変わったんだなぁと思います。
確かに、こういう路線も良いと思いますが、個人的には、やはり、Holland-Dozier-Holland時代の方が良いなぁ。
でも、バックのコーラスは、やはり凄い。ローレンスが中心となり、築いた美しいコーラスは、活動歴に比例して良くなっているのではないでしょうか。


It's All In The Game
(General Charles G.Dawes/Carl Sigman)
1970年、ポップ・チャート24位、R&Bチャート6位になった曲です。
ハープの音色も綺麗で、ビーチボーイズの"Catch A Wave"が好きな人は、好きになりそうな気がします。
・・・ってか両者共、素晴らしいコーラス・グループだから、ファンも被ってるか(笑)


You Keep Running Away
(Holland-Dozier-Holland)
1967年、ポップ・チャート19位、R&Bチャート7位になった曲です。


If You Don't Want My Love
(Holland-Dozier-Holland)
1967年、"You Keep Running Away"のB面としてリリースされた曲で、シングルのみの発売です。
別にHolland-Dozier-Hollandだって、ドラムが激しい曲ばかり書いてたわけじゃないよ、というのが分かります。
ハープシコードとカスタネットの音色が綺麗です。


7-Rooms Of Gloom
(Holland-Dozier-Holland)
1967年、ポップ・チャート14位、R&Bチャート10位になった曲です。
"家を見つけたんだ。石の家。孤独な家。君が行っちゃったから、7つの部屋・・・7つの部屋は暗闇さ。そんな空虚な中で僕は君の優しさ無く暮らしてるんだ"と歌っています。
タンバリンに注目したいですね。


I'll Turn The Stone
(Holland-Dozier-Holland/R.Dean Taylor)
1967年、"7-Rooms Of Gloom"のB面としてリリースされた曲です。


Shake Me, Wake Me(When It's Over)
(Holland-Dozier-Holland)
1966年、ポップ・チャート18位、R&Bチャート5位になった曲です。
低〜いピアノの音、マリンバが格好良いです。
"この長く、眠らない夜、おれは隣人のおしゃべりを聞く。どうも、女は男を愛しちゃいないようだ。"アタシの人生から抜け出して、別の腕の中に・・・"あんたはまもなく歩き出すよ"と歌っています。


Sad Souvenirs
(William Stevenson/Ivy Jo Hunter)
1965年、"I Can't Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch)"のB面としてリリースされました。
確かに、A面にするにはインパクトに欠けますが、他の曲等と一緒に通して聴いてみると、どうして中々、良い曲ですよ。(でも、やっぱ、押しは弱いかも)


Yesterday's Dreams
(Ivy Jo Hunter/Vernon Bullock/Jack Goga/Pamela Sawyer)
1968年、ポップ・チャート49位、R&Bチャート31位になった曲です。
昨日の夢は今日の悲しみ。君の愛のように、女の子は消えゆく。昨日の愛はアスには続かないだろう。僕は君が去ってしまうことを知っている。でも、僕に何が言えるんだい?君を引き止められるすべが見つけられたら・・・僕は証明するだろう。君を愛してると。必要なんだと。どんなに君を必要としているか・・・行かないで。行かないでおくれ・・・"と歌っています。
こうやって聴いてみて、フォー・トップスの曲には、上手くいかない愛への葛藤を歌ったものが多いんだなぁと思いました。


尚、上記した曲以外にも、フォー・トップスには、Tim Hardinのカヴァー曲"If I Were a Carpenter"(1968年、ポップ・チャート20位、R&Bチャート17位)、"River Deep, Mountain High,"(Jean Terrell作曲、1970年、ポップ・チャート14位・R&Bチャート7位)、Obie BensonとMarvin Gayeの共作"What's Going On."等のヒット曲があります。



[参考文献]

モータウン・ミュージック(ネルソン・ジョージ著、林田ひめじ訳、早川書房)


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